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石松 直樹*; 佐田 祐介*; 圓山 裕*; 綿貫 徹; 河村 直己*; 水牧 仁一朗*; 入舩 徹男*; 角谷 均*
放射光, 28(1), p.3 - 11, 2015/01
純鉄の圧力誘起-構造相転移における局所構造変化を、静水圧的高圧下におけるEXAFS測定によって精密解析した。マルテンサイト変態で生じるシェアー型とシャッフル型の原子変位を分離してそれぞれ決定することに成功し、相転移のトリガーがシェアー変形であることを支持する結果を得た。
谷川 博康; 實川 資朗; 菱沼 章道; 安堂 正己*; 加藤 雄大*; 香山 晃*; 岩井 岳夫*
Journal of Nuclear Materials, 283-287(Part.1), p.470 - 473, 2000/12
被引用回数:21 パーセンタイル:77.56(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉構造材料候補材料である低放射化フェライト鋼においては、核変換生成ヘリウムによる脆化や高温強度低下が重要な研究開発課題となっている。本研究では、特にヘリウム脆化に関する基礎的知見を得るべく、室温でヘリウムイオン注入された低放射化フェライト鋼及び純鉄に対して、超微小硬さ試験及び変形領域のTEM観察を行い、ヘリウムの硬化及ぼす影響について検討を行った。試料は高純度鉄及び低放射化フェライト鋼F82H(Fe-8Cr-2W-V-Ta)である。試験片形状はTEMディスクであり、機械研磨及び電解研磨により極めて平滑な表面に仕上げ、実験に供した。ヘリウムイオン注入実験は、東京大学原子力研究総合センター重照射設備(HIT)を用いて行った。実験ではヘリウムイオンを試料表面から600-800nmの領域に2000appmまで、室温で注入した。硬さ試験は、圧子の押し込みによる塑性変形領域の広がりが、押し込み深さの約3~5倍になることから、押し込み深さが約250nm程度になるような荷重条件で行われた。硬さ試験後、圧痕周辺部を集束イオンビーム(FIB)加工装置(日立HF-2000)により薄膜化し、TEM観察に供した。硬さ試験の結果、純鉄及びF82Hのいずれにおいても、ヘリウム注入により10%程度の硬化が計測された。さらに圧痕部周辺部のTEM観察により、圧子の押し込みによって導入された塑性変形の発達が、おもにヘリウムが注入された600-800nmの領域より浅い領域にのみ生じていたことが観察された。
辻山 茂男*; 瀬尾 眞浩*; 杉本 克久*; 水流 徹*; 柴田 俊夫*; 山川 宏二*
PNC TJ1560 96-001, 147 Pages, 1996/03
これまで動燃事業団が実施してきたオーバーパックに関する研究成果についてレビューし評価を行ったのに引き続き、腐食防食協会の中に専門家による委員会を継続した。腐食科学の観点から、材料選定の考え方、実験方法、寿命評価手法など、より具体的な指針として役立てるべく、個別現象解析モデルの研究をおこなった。本書が、今後の研究開発の過程で利用され、オーバーパックに関する研究に役立つことを期待するものである。
W.M.Shu*; 奥野 健二; 林 安徳*; 成瀬 雄二
Journal of Nuclear Materials, 203, p.50 - 55, 1993/00
被引用回数:3 パーセンタイル:38.1(Materials Science, Multidisciplinary)トリチウム透過挙動は、核融合炉の安全性を評価する上で重要な課題である。本研究では、材料として純鉄を用い、イオン注入による重水素透過挙動を調べた。未照射あるいは焼鈍した純鉄の一回目の透過曲線には、透過スパイクが見られた。これは、照射により表面欠陥が形成され、表側の再結合係数の増加によるためと考えられる。重水素の透過量は、入射フラックスに比例して、温度の上昇とともに増加する。このことは、純鉄での水素の拡散係数が大きいので、重水素の透過が表側と裏側の再結合律速(RR regime)に支配されているためと考えられる。また、一定の入射フラックスのもとで、入射エネルギーの依存性を調べたが、入射エネルギーが小さいほど透過しやすい傾向を示した。一方、高いエネルギー(2.0keV)で照射したのち、低いエネルギー(1.0keV,300eV)で照射を行うと、透過量が増加した。
鬼塚 貴志*; 大久保 学*; 鈴土 知明; 福元 謙一*
no journal, ,
原子炉の炉内構造物や圧力容器の中性子照射脆化の要因のひとつとして、ボイドなどの照射欠陥集合体が転位の運動を阻害して延性を低下させる可能性が指摘されている。しかしながら、ボイドがらせん転位に対してどの程度強い障害物になるのかということに関して、まだ十分に明らかになっていない。本研究では、鉄鋼材料の代替として純Feを研究対象に選択し、その中でのボイド形成が機械的性質に及ぼす影響を明らかにするため、分子動力学法を用いてボイド-らせん転位の相互作用の原子レベルのシミュレーションを行った。本報では特に、最大せん断応力の評価を行なったのでその結果について報告する。
薮内 敦*; 淡路 亮*; 平出 哲也; 藤浪 真紀*; 大島 永康*; 高井 健一*; 平 義隆*
no journal, ,
UVSOR放射光施設でガンマ線誘起陽電子消滅分光法技術を用いて純鉄の引張変形中に形成される欠陥評価のため陽電子消滅寿命をその場測定した。ひずみ速度2.210/sで公称ひずみ7以上まで延伸しながら、直径3mmの66MeVガンマ線パルスビームを試料中心部に照射して試料内で生成させた陽電子を用いて、純鉄試験片の引張変形中の陽電子寿命変化を観察した。今までは試料の変形後に陽電子寿命測定が行われることが多く、これらの結果と異なり、今回のその場測定実験では特に変形初期の寿命変化が非常に小さいことが明らかとなった。